モジモジさんが行く?

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逃げたネズミと逃がしたネコ
 必死に逃げるネズミを追っていたネコは、ふと立ち止まった。
「オレも悪いヤツじゃない。逃げたいなら逃げればいいじゃないか」
 口元に不敵な笑みを浮かべ、ネズミが消えた曲がり角をしばらく見詰めた。
 オレは寛大なネコだ。他のヤツなら必ず捕まえて、今日の夕食にしただろう。別に一匹のネズミにこだわらなくていいのだ。なぜなら、ネズミはオレの優しさに感謝するのだから。
「あのネコは優しいから、近付いても大丈夫だ」
 次に近付いてきたら、まとめて食べてやればいい。
 ネズミを操るなんて、オレにとっては朝飯前だ。
 仲間のネコからも、心優しいヤツだと一目置かれるだろう。
 どいつもこいつも、オレの手の平の上で踊らされているんだ。
 オレが踊れなんて、一言も言ってない。
 勝手にあいつもそいつも、踊り出すんだ。

 逃げ延びたネズミの仲間は、集会でみんなに言った。
「あのネコちゃんには近付いちゃダメだよ。彼をダシに使って、ネコ仲間の評判を高めようとしている腹黒いネコちゃんだよ」
 指さした先には、ネコに追われて恐怖に震えるあのネズミの姿があった。

 その日以来、ネズミがネコの前に姿を現すことがなくなった。
 ネコは好物のネズミを、もう食べることができなくなってしまった。
 武勇伝を語ったネコは、いつの間にか独りぼっちになっていた。
 仲間のネコからも、エサのネズミからも見捨てられたのだ。
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